4.耳鼻科領域における服薬指導
エイト薬局目達原店
森 洋介

| エイト薬局目達原店 | ||
| 耳鼻科領域における服薬指導 |
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| 今日は耳鼻科領域の服薬指導ということですが、今回は疾患を、「中耳炎」と「蓄膿」にしぼってお話させていただきます。 |
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| 私の薬局では、今からお見せするような鼻や耳の構造を描いた絵を作ってその疾患の状態を説明するのに役立てています。 |
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| 次に小児に多い「滲出性中耳炎」ですが、これも鼻が少なからず関わってきます。 ただ、自覚症状に乏しいので、定期検診で見つかることがほとんどです。 この絵を見てもらうとわかるように、小児の耳の構造は、このように耳管の傾斜が小さくて、長さも短いために鼻から細菌が入ってきやすく、滲出性中耳炎に限らず、子供の頃に中耳炎になりやすい原因はここにあります。滲出性中耳炎でやっかいなのは、先ほど話したように症状があまり表面に出てこないで、気づきにくいところにあります。中耳に水が溜まっているので、聞こえが悪くなり、こういう小児の時期に聞こえが悪い状態が続くと、言葉の発達に影響がでたりするので、鼻水、鼻づまりが続く時や、小声が聞こえにくい、テレビの音量が大きいなどがある時は、中耳炎を疑って早めに耳鼻科を受診するように保護者の方によく言っています。 滲出性中耳炎の場合も鼓膜を切開することがありますが、だいたいは薬の服用をしばらく続けてもらうことで治ります。ただ、先ほど言ったように、小児は中耳炎になりやすい構造をしているので、あまり頻繁になるときは、しばらく鼓膜にチューブを通して耳の通りをよくしてあげる処置をとることもあります。 |
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| 次に蓄膿についてですが、鼻の周りにはこのように副鼻腔というのがいくつかありまして、上から前頭洞、篩骨蜂巣、上顎洞となっています。ちなみに蓄膿というのは病名ではなくて、副鼻腔炎のなかで膿がたまっている状態を蓄膿と表現するとのことです。風邪や鼻炎などで鼻や副鼻腔の粘膜がむくむと膿がたまりやすくなって、炎症、痛みがでます。耳鼻科の方でよくレントゲンを撮られますが、本来副鼻腔の形がはっきり写るはずのところが膿が溜まっていることで、白く写ることになります。しかし、レントゲンでは患者さんにわかりにくいので、あらためて薬局のほうでこの絵を見せて説明すると、副鼻腔の位置がわかりやすく、自分が痛い場所とよく一致するので、かなり納得してくれます。 例えば、上顎洞に膿が溜まっている場合は、頬や眼の下周辺が痛くなります。また、横からの絵を見るとわかりやすいですが、歯と近い部分もあるので、歯が痛いと思って歯科にかかったら、耳鼻科に行ってくださいといわれて来られるケースもよくあります。前頭洞の場合なら普通の頭痛と思ってしばらく頭痛薬を飲んでいたという方も多いようです。投薬については、始めはキノロン系などの強めの抗生剤と排膿剤や消炎酵素、痛みに応じて痛み止めがよく使われますが、数日で痛みはとれてしまうことが多いのでそこで服薬をやめてしまうケースが結構あります。しかし、副鼻腔に溜まっている膿は短期間ではなくならず、マクロライド系の抗生剤や排膿剤を続けて服用する必要があるので、初回に前もって、「調子よくても2ヶ月ぐらいは続けて服用するようにしてください。」と指導するようにしています。ここでよく患者さんからよくいわれるのが、「抗生剤を続けて服用してもよいのか」ということですが、実際、抗生剤としての作用の他に粘膜安定化作用を目的として長期で使うことが多いので、「粘膜の炎症を鎮めて落ち着かせてあげる、長く飲む専用の抗生剤です」と説明しています。 |
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| これは、鼻を横から見た図ですが、匂いを感じる神経はここにあるので鼻づまりで鼻粘膜がむくむと、においの粒子が神経まで行き渡らず、匂いが感じにくくなるということになります。臭覚障害で滴下する点鼻液を使用する時は、仰向けに寝た状態で鼻の穴を真上に向けて薬剤がなるべく臭覚神経にいきわたるように使用するように指導します。鼻づまりで血管収縮剤の点鼻液を使う場合、使いすぎると逆に鼻粘膜のむくんだ状態が戻らなくなって、かえって鼻づまりを引き起こすことがあるので、注意が必要です。ちなみに中耳につながる耳管の開口部はここにあります。 |
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| このように、絵を用いて説明すれば、耳と鼻の位置関係がよくわかり、今の自分の疾患がどういう状態なのかよくわかり、こうなっているからこういう治療、投薬がされているという理由がわかればコンプライアンスの向上にもつながると思います。今回は耳鼻科領域についての話でしたが、耳鼻科に限らず色々な疾患についてその薬局の指導のしかたに応じた絵をうまく作って活用できれば、薬を服用する意味がかなりわかりやすく説明ができるのではないでしょうか? |